コロナ時代における投資とは?投資のポイント・タイミングを専門家が徹底解説

コロナ時代における投資

2020年は投資環境が大きく変化しました。新型コロナウィルス感染症の影響による株価の大きな下落、いわゆる「コロナショック」で株式市場を中心として価格が大きく変動しました。

昨今の情勢の下で、投資を始める方が増えているというニュースを耳にしますが、「いま投資を始めれば、損をしてしまうのではないか」といった不安を感じ、資産形成に踏み出すタイミングを悩まれている方もいらっしゃる方も多いと思います。

では、このような市場環境下に資産運用を始めても良いのかどうかについてわかりやすくお伝えします。

この記事を書いた人
株式会社 FPコンサルティング
ファイナンシャル・プランナー
山口奈美江
AFP(日本FP協会認定)、2級FP技能士、宅地建物取引士
【プロフィール】
大学卒業後、医療機関、不動産会社で勤務。

医療機関で勤務する中で、公的制度や知識を持つことで治療中の患者様が抱えるお金の悩みを解消し、安心して治療に専念してもらえることに気付き、お金に関する知識を深め、人の役に立ちたいと思い、FP資格を取得。

現在は保険商品や金融商品を一切販売しない中立的な立場で、お客様の漠然としたお金に対する不安を取り除き、お客様のライフプランプラン実現に向け、頼りになるファイナンシャルプランナーに成長できるよう日々勉強中。

投資で重要になる2つのポイント

コロナショックで株が大きく下がったので、ある会社の株式を100万円で購入しました。しかし、その株はその後さらに下がり、80万円まで下落し、20万円損した……

これは「投資」ではなく「投機」といいます。一極集中的に推測(ヤマ勘)で購入したものは投機です。

投資とは、「①資産分散」と「②時間分散」が重要です。

①資産分散

推測ではなく上がるものと下がるものの相反関係をもつ資産を組み合わせます。

例えば、景気がいい時は、株価は上がり、債券価額は下がる。景気が悪いと逆の値動きをします。

もし株で損をしても債券でカバーできる。一極集中させない、このリスクコントロールを資産分散と言います。

実際にはもっと沢山の種類の資産があり、組み合わせが多いほどリスクコントロールはできます。

資産の種類は国内株式や外国株式、国内債券や外国債券、投資信託等があります。

②時間分散

一度に多額の変動する商品を購入するのではなく、一定の金額で定期的に投資信託などの金融商品を購入します。

例えば、1口1万円の投資信託を120口購入しました(合計120万円)。

その後、売却しようとしたら1口5,000円に下落し、60万円の損失を被ってしまいますが、120万円で一度に購入するのではなく、時間をかけて毎月1万円ずつコツコツ購入するのです。

投資信託の価格は一定ではないため、ある月は1口1万円で1口購入、翌月は1口5,000円に下がり2口購入となります。

仮に価格がどんどん下落すると、ひと月に3口や4口購入することもあります。

仮に売却時に1口5,000円に下落しても240口持っていれば元本割れしません。

これを積立投資(ドル・コスト平均法)と言います。

この上がったり下がったりのリバウンドが多ければ多いほど効果は高くなります。

時間を味方につければ、値下がりは怖いものではなくなります。

但しこれには長い時間が必要となりますので、10年後20年後の老後資金や教育資金作りに有効といえるでしょう。

投資を始めるタイミングとポイント

投資でリターンを得るためには、「最も価格の安い時に買って、最も価格の高い時に売る」ことが一番です。

しかし、いつが安い時なのか、いつが高い時なのかといったタイミングを見極めることは、プロでも難しいものです。

今が一番安い値段だと思って買っても、その後さらに値下がりするかもしれません。

そのため、購入するタイミングを何回かに分けることで、高値掴みのリスクを低くする「時間分散」が重要になってきます。その代表的な手法が「積立投資」です。

では、投資はこのコロナショックで下がった時が始め時なのかでしょうか?

「今が買い時」「今が売り時」という投資のタイミングを当てるのは、プロでも難しいという現実をまずは知っておかなければなりません。

一括投資は投資を始めるタイミングは難しいですが、積立投資の場合は「思い立った時にすぐ」が良いでしょう。

積立投資の前提は「長期」です。長期積立投資を行うことで、ドルコスト平均法の効果と複利効果(利息が利息を生む効果)を享受することができます。

ドルコスト平均法は、定期的に一定額の金融商品(ここでは、投資信託)を購入し続ける投資法です。

こうすることで、投資信託の価格(基準価額)が安い時にはたくさん買い、高い時には少ししか買わないことになるため、平均購入単価を下げることができるのです。

平均購入単価を下げておけば、値上がりしてきた時に利益が出しやすくなるというわけです。

長期に投資することで、複利効果のパワーも後押しされ、堅実にお金を増やしていくことができます。

そうは言っても今回のような市場が下がる局面では、元本が割れて不安も大きくなりますが、市場が下がった局面で、不安を乗り越えるためのポイントを3つお伝えします。

「ドルコスト平均法」の仕組みを作れば、感情をいれずに淡々と続ける

投資は感情との戦いとも言われます。感情を排して淡々と続けられるところが積立投資のメリットです。

株・債券・不動産・金など幅広く分散投資を実践

積み立てた資金は、国内外の株式、債券、不動産、金など複数の資産に国際分散投資を行いましょう。

異なる値動きの資産を持つことで、リスクを低減しながら堅実なリターンを狙うことができます。

コロナショックで株は国内も海外も全面安でしたが、米国債の債券価格は急上昇(金利は急低下)しています。

改めて、株と債券を組み合わせることで、値下がりリスクを低減することが確認できました。

無リスク資産とリスク資産のバランスをとる

無リスク資産(現金・預金・個人向け国債)とリスク資産とのバランスを調整しましょう。

リスク資産が多くなれば、上手くいった時に大きく増えますが、逆に市場が下がった時は大きく減ります。

コロナショックをきっかけに資産運用を始める方が増えている

今回の新型コロナウイルスにより株価が大きく下がり、それをきっかけに、ネット証券口座の新規開設が急増しています。

株価下落をチャンスと考えた人や、不安心理から資産形成について考えた人が増えたことが原因と思われます。

私たちFPにも運用の相談が増えています。これまで資産運用をしたことない人はこのタイミングで投資をスタートすることを検討してもよいでしょう。

相場の波で一喜一憂せず、投資を長期でとらえて資産形成を進めていきましょう。

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