無担保ローンとは?他のローンとの違い・注意点を解説

現在、各金融機関で提供されているローン商品は、数多くの契約者を獲得する為、幅広いニーズに対応できるサービスが豊富に取り揃えられています。

そんなサービスの中でも代表的なのが「無担保ローン」です。

無担保の為、申込のハードルは低く審査もスピーディといったメリットがありますが、一方で、利用の際は注意しなければいけない点もいくつか存在しています。

そこで今回は、無担保ローンの特徴やサービス内容の詳細などを徹底的に解説していきます。

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無担保ローンの基本情報

担保とは、債務者(お金を借りている側)がお金を返済できなくなってしまった場合の損害を補う為、予め債権者(お金を貸している側)に対して提供する物品などの保証を言います。

例えば、債務者の代わりにお金を払ってくれる保証人や、土地や家といった価値ある財産が担保として成り立ちます。

主に高額なローンを組む際などに、債権者が保証人や財産といった担保を債務者へ要求するのが一般的です。

一方、無担保ローンはその名の通り担保を必要としないサービスであり、個人の信用情報を元にお金が融資されます。

その為、申し込みのハードルが低く、誰でも利用しやすいといったメリットがあります。

その他、無担保ローンが持つ特徴は以下のようなものが挙げられます。

利用使途は原則自由

担保が必要となるローンは、高額な限度額が設定されているものが多いのですが、基本的には「住宅を購入する為」など、利用する為の目的が制限されています。

一方、無担保ローンは利用使途が自由に設定されており、欲しい物を購入する為の資金や旅行に行くための交通費、更には家賃や携帯代、生活費などに使う事もできます。

但し、有担保ローンに比べて1社から借りられる金額は少なく、その額は10~50万円、高くても100万円程に抑えられるのが一般的です。

また、利用使途を自由としている無担保ローンのほとんどは「個人向け」として提供されている為、会社の運営や開業に関わる事業性資金として利用する事は規約で禁止されています。

事業性資金の融資が必要な場合は、別に用意されている「法人向け」のローンを利用する必要があります。

また、ギャンブルや投資を目的として利用する事も禁止です。

これらの利用規約に違反した行為が発覚した場合、借金の一括返済を求められる可能性がありますので注意して下さい。

審査・融資のスピードが早い

担保が必要となるローンの審査では、申込者の信用情報だけでなく担保価値の審査なども行われる為、審査結果回答までに時間を要するケースがほとんどです。

しかし、無担保ローンであれば申込者の信用情報のみが審査対象となる為、審査スピードは速く、それに伴って融資を受けられるまでの時間も短くなります。

但し、無担保ローンの即日融資に対応しているのは消費者金融のみという点に注意して下さい。

銀行の無担保ローンも以前は即日融資に対応していましたが、過剰貸付による滞納や遅延、自己破産者の増加問題や、反社会勢力への不正融資問題が原因で審査が厳格化され、2018年以降は即日での融資に対応できなくなりました。

その為、現在即日で無担保ローンの融資を受けられるのは消費者金融のみとなります。

1~2週間程度なら問題ないという人は銀行の無担保ローンで問題ありませんが、どうしても数日以内にまとまったお金を用意する必要があるという人は、消費者金融の無担保ローンを検討してみると良いでしょう。

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担保付ローンより金利が高いのが難点

担保がないという事は、債権者が返済不能に陥った際の損害を補う事ができないという事になります。

その為、無担保ローンを提供する債権者は、担保とは別の対策で貸し倒れによる損害を防ぐ必要があります。

その対策の一つとして挙げられるのが金利設定です。

金利とは、簡単に説明するとお金を借りる際に発生する手数料の事であり、これが債権者の利益となります。

万が一、債務者が返済不能となっても、金利を高くする事である程度の損害を防ぐ事はできます。

その為、無担保ローンは金利が高く設定されているのです。

実際、有担保と無担保のローンに設定された金利を比較してみると、同じ銀行のローンでも有担保の方が5~6%ほど低い金利が設定されています。

消費者金融の無担保ローンともなれば、利息制限法の上限金利18%が適用されているものがほとんどです。

その為、無担保ローンは申込のハードルは低く、利便性も高い反面、利用する為のコストは高く設定されているのがデメリットの一つとして挙げられます。

無担保ローンにはどんな種類がある?

無担保ローンというのは、担保を必要としないローンの総称を指しており、その種類は多岐に渡ります。

現在では、契約者の獲得を目的とし、多くの人が申込やすい無担保ローンが数多く提供されており、住宅ローン以外のほとんどのローンを無担保で契約する事ができます。

ほとんどの無担保ローンは利用使途が自由ですが、中には目的を制限する事で高額な融資に対応したものも提供されています。

その為、自分の目的に最適なローンを無担保で契約する事も可能です。

以上の事から、無担保ローンは申し込みやすいという特徴だけでなく、様々なお金に関するトラブルにも対応できる利便性の高いサービス内容である事が分かります。

そんな無担保ローンの主な種類は以下の通りです。

カードローン

カードローンとは、銀行や消費者金融などが発行するローンカードを用いて現金を融資してもらう事ができる無担保ローンの代表的な金融商品です。

無担保ローンならではの自由な利用用途やスピーディな審査は勿論の事、融資枠内であれば何度でも借入・返済を繰り返す事ができるのが特徴的です。

また、コンビニのATMでも借入・返済を行う事ができるので、無担保ローンの中でも利便性に関しては圧倒的に優れています。

カードローンは、銀行や消費者金融、信販会社で契約する事が可能です。どちらで契約しても利便性に変わりはありませんが、金利や審査スピードは異なります。

銀行のカードローンは、先述した通り、審査の厳格化により即日融資に対応していません。

ただ、金利は低く設定されているものが多く、その相場は15%となります。

一方、消費者金融は審査スピードに定評があり、即日融資に対応したものがほとんどですが、金利は高く設定されているものが多く、その相場は18%です。

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フリーローン(多目的ローン)

フリーローン(多目的ローン)とは、主に銀行が提供している無担保ローンの一つで、その名の通り目的が制限されていない自由に利用できる個人向けのローンの事を言います。

このフリーローンが持つ最大の特徴は、審査通過後に申請された金額が銀行に振り込まれ、それ以降は追加で融資を受ける事ができないという点です。

要するにフリーローンは、カードローンのように繰り返し借入する事ができず、一度お金を融資してもらったら、それ以降は返済のみという事になります。

一見、利便性が低いようにも思えますが、フリーローンは追加融資ができない為、借金が膨らむ事はなく、返済計画が立てやすいというメリットがあります。

また、カードローンよりも金利が低く設定されているものが多い為、返済時の金利負担はフリーローンの方が軽いです。

その為、何が目的でローンを必要とするのかが明確であり、その目的以外で利用する事はないという人にフリーローンは向いています。

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おまとめローン

おまとめローンとは、複数の金融機関で組んでいるローンを一本化する為の無担保ローンとなります。

主に消費者金融や銀行などが提供している商品であり、複数のローンを一本化する事で毎月の返済負担を軽くする事ができます。

更に、おまとめローンは融資額が高額となりやすい無担保ローンとなる為、それに伴って金利を下げる事もできるといったメリットがあります。

例えば、4社から金利18%で30万円ずつ、合計で120万円借りていた場合、これを一本化すると金利は15%まで下がります。

これは利息制限法で100万円以上の借金は上限金利15%までと定められている為です。

但し、おまとめローンとして提供されている無担保ローンは、そのほとんどが返済専用のローンとなり、追加融資を受ける事はできません。

また、毎月の返済額を減らせるメリットが原因で、返済期間が長期化してしまうリスクが高く、結果としてローンを一本化する前よりも利息が高額になってしまうケースもありますので注意して下さい。

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教育ローン

教育ローンとは受験費用や授業料、教材費などの教育関係で必要となる費用に利用用途を限定した目的別ローンの事を言います。

学生の保護者が利用するケースがほとんどであり、その多くは日本政策金融公庫が提供する無担保ローン「国の教育ローン」が利用されています。

また、教育ローンは国だけではなく、銀行や消費者金融といった民間企業からも提供されており、そのほとんどは無担保ローンです。

民間の教育ローンの場合、保護者だけではなく、学生自身が契約できるものも多く存在しており、中にはカルチャースクールなどの費用にも対応している教育ローンもあります。

国の教育ローンと比較すると金利の低さは劣ってしまいますが、申し込みやすさや審査のスピードに関して言えば民間の教育ローンの方が優れています。

なお、教育ローンの中には担保を必要とするものもあります。

有担保の方が限度額が高く、金利は低い設定となっていますが、無担保の教育ローンを検討しているという人は注意が必要です。

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審査の甘い無担保ローンは消費者金融カードローン

銀行が無担保で提供しているカードローンは、金利が低い、限度額が高いといったメリットがあるのですが、その分審査は厳しく、消費者金融と比較して通過率は低いです。

更に、銀行は2018年より審査基準を厳格化した事により、更に契約が難しくなりました。

一方、貸金業を専門とする消費者金融のカードローンは、多くの契約者獲得を目的とし、学生や主婦の方でも本人の収入さえあれば契約可能としています。

審査の通過率も非常に高く、収入が不安定、または少ないという方でも消費者金融のカードローンなら審査に通過できる可能性があります。

消費者金融のカードローンは金利が高いというデメリットが強く目立ちますが、その反面で消費者金融ならではのメリットが取り揃えられているのも事実です。

そんな消費者金融のカードローンが持つ主なメリットは以下のようなものが挙げられます。

審査は最短30分!トータル1時間で融資可能

銀行でカードローンを契約する場合、必ず保証会社と銀行の審査を受ける事になります。

一方、消費者金融は保証会社が無い為、審査は自社審査のみとなり、これがスピーディーな審査を実現している要因となっています。

また、多くの消費者金融は審査をシステム化しており、申込者の個人情報や信用情報を入力するだけで与信判断を可能としています。

その為、最短30分という驚異的なスピードの審査を可能にしている消費者金融が多いのです。

また、大手消費者金融では全国各地にローンカードを発行できる自動契約機を設置しており、申込者は審査が完了次第、直ぐにカードを受け取り現金を借入する事が可能です。

これは審査スピードに特化した消費者金融ならではのメリットです。

無利息期間サービスで最大30日は利息0

消費者金融によっては、最大30日間は利息が発生しない「無利息期間」というサービスが設けられています。

利息が発生しないという事は、このサービス期間中に一括返済を行えば、利息は一切払わなくてよいという事です。

例えば、金利18%のカードローンで10万円を借り、30日後に返済した場合は1,479円の利息が発生しますが、無利息期間が適用されていれば利息は0円となります。

消費者金融や時期によっては、無利息期間が30日以上に設定されている事もあります。

なお、無利息期間が開始されるタイミングは消費者金融によって異なります。

ほとんどの場合は、初回借入した翌日から無利息期間が開始となりますが、中にはカード発行日から開始というものもありますので注意して下さい。

少額借入なので使い過ぎることがない

消費者金融のカードローンに設定されている限度額は低いものだと100万円以下、高いものでも800万円ほどであり、銀行のカードローンほど高額な限度額は設定していません。

また、総量規制の関係で、消費者金融のカードローンは年収3分の1以下に限度額が抑えられます。

高額な融資を希望という方にはデメリットかもしれませんが、限度額が低いという事は、使いすぎを防止する事にも繋がりますので、返済不能に陥るリスクを軽減する事ができます。

総量規制のない銀行カードローンでは過剰貸付が問題視されており、利用者の中には年収以上の借入を行い自己破産に追い込まれた人も数多く存在しています。

そういった点を比較してみると、消費者金融のカードローンの方が安全に利用できるという事が分かります。

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無担保ローンを使う際の注意点

担保不要で申し込みやすく、現在では住宅ローン以外のほとんどのローンが無担保で契約可能です。

例えば、自動車を購入する為の融資を目的としたマイカーローンや、お店の開店資金や会社の運営に必要な事業性資金の融資を目的としたビジネスローンなども無担保で契約する事ができます。

利便性に優れた無担保ローンも数多く存在しており、審査スピードにも定評がある為、直ぐにでもお金が必要という方のトラブルにもしっかりと対応する事ができます。

但し、無担保ローンは様々なメリットが備わっているからこそ、利用する際はいくつか注意しなければいけないのも事実です。

場合によっては無担保ローンを契約できないケース、または契約後に返済が困難となってしまうケースもあり得ます。

そんな無担保ローンの利用で注意すべき点は以下の通りです。

申込者のスペックを厳しく審査される

担保がある場合、債権者は万が一の貸し倒れがあった場合でも損害を回避する事が可能となります。

一方、担保が無い場合は貸し倒れがあった場合の損害は補償されない為、審査では申込者に継続的な返済を行えるだけの能力があるかが重要視されます。

この返済能力の高さを見極める為の判断材料となる情報を「信用情報」と呼び、主に年収や勤続年数、雇用形態や住宅情報などの属性情報や、過去または現在の借金状況が厳しく審査される事になります。

少額な融資となる無担保ローンの場合は、アルバイト収入でも契約を締結できる可能性があります。

ただ、高額なフリーローンやマイカーローンを契約する場合は、高額な分、信用力も慎重に審査される為、有担保ローンと比較すると融資を受けにくい傾向にあります。

便利なので使い過ぎてしまう恐れあり

無担保のカードローンは、申し込みが容易なうえにコンビニATMから24時間365日お金の借入が可能という優れた利便性を持っています。

ただ、利便性が高い事が原因で、カードローンは多重債務や借り過ぎによって返済不能に陥りやすい商品です。

中には「いつでも返せる」と思い込み、借金を繰り返す「借金依存症」に陥ってしまう人だっています。

実際、自己破産や強制執行にまで至った根本的な原因のほとんどにカードローンが挙げられており、使いすぎは非常に危険である事がわかります。

ただ、カードローンは返済計画と借金をしているという自覚さえあれば、返済不能になるまで借入を繰り返してしまうという事はありません。

その為、カードローンを利用する際は、何を目的に利用し、その後に返済を継続的に行える金銭的余裕があるかを確認したうえで申し込む事が大切です。

どの無担保ローンを使うかじっくり選ぼう!

無担保ローンにはカードローン以外にも、利用用途は自由でも追加融資は受けられないフリーローンや、複数のローンを一本化するおまとめローン、利用用途が教育費関係に限られた教育ローンなど、その種類は数多く存在しています。

その中で最も利便性が高いのはカードローンですが、無担保ローンを利用する目的が明確なのであれば、その目的に沿った商品を選択する事も大切です。

例えば、一度きりの利用にしたいという場合であればフリーローン、子供の学費の為に利用したいというのであれば教育ローンといった選択ができます。

いずれの無担保ローンも借金をする為の商品となります。その為、まずは自分の目的に沿った無担保ローンで、最も安全に利用できるものを選ぶ事が大切です。

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