教育ローンのおすすめは国と銀行どっち?金利・限度額・審査難易度を比較

我が子の進学は嬉しいものですが、心配もつきものですね。

その一番の心配の種ともいえる学費については、現在は教育ローンを利用するのも一般的になってきています。

大きく分けて銀行が貸し出す教育ローンと国が100%出資している「国の教育ローン」がありますが、一体どこのローンを申し込めば金利が低いのか、十分に学費をまかなえる金額を借りられるのか詳細が分かりにくいです。

このページでは教育ローンの詳細とおすすめについて、また審査についてなど、まとめました。

まずは国の教育ローンに申し込むのがおすすめ!メリット・デメリット

教育ローンの中で、国が100%出資をしてバックアップしているのが「国の教育ローン」で、正確には「日本政策金融公庫教育一般貸付」と言います。

国の政策として、教育を必要とする子供のいる家庭に融資するのが目的のため、利用するためには年収の上限が決められています。

年収が低くても利用することができ、母子家庭、父子家庭の場合には金利が安くなる優遇措置もあり、経済的に子供の進学が困難な家庭の支援もあります。

銀行などの教育ローンに比べて金利が低く借入の上限が低めで、審査にも多少時間がかかるなど注意点はありますが、利用しやすい制度ですので、まずは国の教育ローンを検討するのがおすすめです。

国の教育ローンのメリット

国の教育ローンには様々なメリットがあります。

借り入れ金は、入学金や授業料だけでなく、定期代や教材費、学生の生活にかかる資金まで、幅広く利用する事ができます。

また、他の銀行ローンに比べて金利が低いことも大きなメリットです。

金利は返済額に大きく影響し、金利が低いほど返済総額も下がります。

さらに、気になる返済ですが、子供の在学中は利子のみの返済で良いので、お金のかかる時期に返済に追われる心配もありません。

申込条件は、世帯収入の上限は決まっていますが、下限は決められていないので、年収が低くても申し込めるのもメリットです。

その他、利用上限金額以内であれば、在学中に追加融資が受けられたり、来店なしでも契約が可能など、利用する側には嬉しい制度が整っています。

国の教育ローンは年1.76%の低金利!

国の教育ローンは、金融動向を反映して、金利の見直しが毎年5月と11月に行われます。

2017年10月までは国の教育ローンの金利は1.82%となっていましたが、2017年11月に金利が引き下げになり、1.76%と、さらに低金利になっています。

他銀行の教育ローンもこの国の教育ローンの低金利にはかないません。

金利は年2回の見直し時に据え置きの場合もありますが、変更する可能性もあるので、借りるタイミングで金利が何%になっているかは随時確認が必要です。

国の教育ローンは固定金利なので、借り入れた時の金利で返済額が決まります。

在学中に金利変動がないので安心な反面、返済時に大幅に金利が下がっていても適用されません。

また、在学中に追加融資を受ける場合も追加融資を受けた時点の金利が適用されるため、1.76%のままではない可能性があることを覚えておきましょう。

年収の低い方でも申し込みやすい仕組み

国の教育ローンには、世帯収入制限があります。

扶養している子供の人数によって世帯収入の上限が決まっていて、収入が制限を超える場合には、特別な事情の条件に当てはまらない限り、申し込むことはできません。

しかし逆に、収入の下限の制限はなく、収入が低い事によって申し込みを断られることはありません。

むしろ低収入の世帯には手厚い仕組みを作っているのが国の教育ローンの特徴で、世帯年収200万円以下の人、母子家庭、父子家庭には金利などの優遇措置があり、さらに低金利で借りる事ができるのです。

ただし、年収が低い事が審査に有利に働くわけではありません。年収が低くても返済能力は問われますので、注意が必要です。

母子家庭・父子家庭には優遇制度も設けている

国の教育ローンの特徴は、家庭状況に応じた優遇制度を設けていることです。

特に母子家庭・父子家庭には、3つの優遇措置が適用になります。

金利を通常の1.76%よりも低い1.38%に軽減し、返済期間も通常は最長でも15年間で返済のところ、最長18年への延長、連帯保証人に代わる保証会社の保証料も通常の3/2に軽減されるという制度です。

この優遇制度によって、母子家庭・父子家庭の子供が、大学や専門学校への進学をあきらめる事なく教育を受ける機会を得る事ができています。

実際に、国の教育ローンの利用者数の中で、父子家庭・母子家庭の利用率は高まっています。

国の教育ローンは来店なしで契約が可能

銀行などが提供するローンの多くは、店頭などでの対面で契約をする必要がありますが、国の教育ローンは、支店に来店する必要なく契約まで行う事ができます。

申し込みは一年中受け付けているので、実際に学校に合格する前から準備をすることができます。申し込みはインターネットが便利です。

ホームページから必要事項を入力して借り入れを申し込むと、手続き案内メールが届くので、申し込みに必要な書類を揃えて郵送するだけです。

借り入れ申込書はコールセンターに電話して取り寄せる事もでき、その後の手続きは変わりません。

審査の上で、電話連絡があったり追加書類の提出をする場合もありますが、それも全て郵送やFAXで済ませる事ができ、融資決定通知も郵送で届きます。

忙しい中何度も来店する必要がないので、申込から契約まで素早く行えます。

在学中は利息のみの返済でOK

在学中は交通費や教材費など、その時々でかかるお金がたくさんあります。

そのため、国の教育ローンは、在学中から返済を始めるか、在学中は元金据え置きで利息のみを支払い、卒業してから返済を始めるかを選択することができます。

在学中の負担を減らすにはありがたい制度です。

ただし、在学期間も返済期間としてカウントされ、在学期間を含めた返済期間が、最長15年を超える事はできませんので、間違えないようにしましょう。

また、在学中から返済を始めるのに比べ、返済額の総額が若干高くなるほか、卒業後の月々の返済額も高くなりますので、注意は必要です。

国の教育ローンのデメリット

メリットの多い国の教育ローンですが、デメリットにも注目する必要があります。

まずデメリットのひとつは、融資限度額が子供一人につき350万円まで(海外の大学に6ヶ月以上留学する場合のみ450万円まで)で、一年分の費用しか申し込めないことです。

翌年度必要な経費は、限度額の範囲内で再度申し込む必要があり、審査には同様の手続きと時間がかかります。

また一人350万円という金額では、学校によっては学費全てを賄えないため、自己負担も多く発生します。

2点目のデメリットは、申し込みから入金までは、民間の他のローンに比べて時間がかかることです。

試験合格から入学金などの入金期限まではわずかな日数しかないため、国の教育ローンを利用したい場合には合格前から申し込みをする必要があります。

融資まで最短でも20日はかかる

国の教育ローンで気をつけなくてはいけないのは、申し込みから実際入金されるまでの期間をきちんと逆算して申し込む必要がある点です。

国の教育ローンは、銀行などの教育ローンに比べて審査時間がかかる事が多いです。

公式ホームページでは、申し込み完了から、審査の結果が出るまでに10日、さらに指定の口座に振り込み完了するまでには10日前後かかると答えていますので、最短でも20日はかかると見ておいたほうがいいでしょう。

書類の不備や追加資料などがあると、さらに時間がかかることになります。また、入試から入学までのシーズンは申込が急増する時期です。

審査にもその分時間がかかり、2,3ヶ月前の申込が推奨されています。

利用するには連帯保証人を立てる必要あり

国の教育ローンを利用するためには連帯保証人を立てる必要があります。

連帯保証人とは、申し込み者が返済ができなくなった時に代わりに返済の義務を負う人の事で、国の教育ローンの場合には、進学する子供から見て4親等以内の親族で、別居している人という条件があります。

叔父、叔母や祖父母がその対象に当たりますが、連帯保証人はいざというときには返済の義務を負うので、収入を証明する書類の提出も必要になります。

そのため頼める相手がいない、頼みにくいという人も少なくありません。そのため、代わりの措置として、教育資金融資保証基金という公益財団の保証を受ける事もできます。

ただし、借り入れ期間と借り入れ金額に応じた保証料がかかり、融資金額から一括で差し引かれる事になります。

お得にしたいならどっちがおすすめ?国と銀行教育ローンの金利比較

国の教育ローンと銀行8社の教育ローンの金利を比較してみました。

金利は常に変動するので、現在の金利はホームページなどで確認することをおすすめします。

また利率については、各銀行によって、申し込み条件によって適用の金利が変わったり、優遇金利が受けられる場合があります。

金利タイプ 実質年率
国の教育ローン 固定金利 1.76%
東京三菱UFJ銀行教育ローン 変動金利 3.975%
みずほ銀行教育ローン 固定金利 4.250%
変動金利 3.475%
りそな銀行教育ローン 変動金利  4.475%
三井住友銀行教育ローン  変動金利無担保型 3.475%
変動金利有担保型  2.975%
イオン銀行教育ローン 変動金利 2.8~3.8%
楽天銀行教育ローン 固定金利 3.900%
変動金利 3.214%
じぶん銀行教育ローン 変動金利 1.700% ~ 17.400%
ろうきん教育ローン 固定金利 2.4%~3.9%(借り入れ期間、会員と一般などで異なる)
変動金利 2.2%~2.4%

片親の家庭だと国の教育ローンは金利1.41%まで下がる

国の教育ローンは、通常の金利でも民間に比べて低く設定されていて利用しやすいのですが、母子家庭・父子家庭といった片親の家庭の場合には、金利がさらに低くなります。

現在1.76%の通常の金利からさらに0.4%低い1.38%に設定されているので、片親の家庭でも利用した後に返済しやすい制度になっています。

この制度は国が100%出資をしている国の教育ローンならではのシステムで、民間の教育ローンにはない制度です。

そのため、片親の家庭で教育ローンを検討されている方は、まず一番に国の教育ローンを検討するのがおすすめです。

国の教育ローンと銀行教育ローンの限度額を比較

教育ローンの限度額は各銀行によって異なりますが、国の教育ローンの場合は350万円まで、海外の大学に6ヶ月以上留学する場合のみ450万円までとなっています。

一方銀行の教育ローンの限度額は幅があります。中央労金は最大1000万円、JAバンクが700万円、三菱UFJ銀行が500万円、三井住友銀行とみずほ銀行が300万円となっています。

国の教育ローンよりも低く設定されているところもあれば、3倍近い1000万円の限度額を設定している銀行もあります。

最大1000万円以上借りれるのは銀行教育ローン

国の教育ローンの場合には上限が海外留学の場合でも最大450万円となっていますが、銀行の教育ローンの場合には、一般の大学進学の場合の最大限度額のほかに、学校の種類によっては限度額を1000万円に設定している銀行もあります。

例えば、医学系・歯学系・薬学系大学のほか、法科大学院などに進学した場合は、年間の学費も一般大学より高くなる上に、就学年数も長くなります。

そのため、それらの学校に入学した場合には1000万円までの借り入れができる銀行もあります。

高額の教育ローンを希望している場合には、銀行系から探す必要があり、なおかつ高額融資をしている銀行に絞って申し込む必要がありそうです。

留学費用の借入などは銀行教育ローンのほうが向いている

銀行の教育ローンが、学校の種類によっては最大1000万円まで借りられる場合があるとお伝えしましたが、留学費用も高額の資金が必要になります。

国の教育ローンの場合、留学時の上限は450万円で、外国の短大・大学・大学院に6ヵ月以上在籍する場合に限られます。

留学する際にも他の学校へ進学する場合と同じように、1年分の費用しか申し込めないため、毎年新たに申請する必要があります。

上限450万円の枠の中で追加申請をするのは、金額的に少々心もとないですし、申込のたびに審査が通るかどうか不安にもなります。

さらに、国の教育ローンの場合、留学費用にかかわらず申し込みには世帯収入の上限が決められているため、借りたいと思っても申し込む事そのものが出来ない場合もあります。

銀行の教育ローンの場合には収入条件の上限はないため、留学費用については銀行教育ローンのほうが向いているといえます。

審査に通りやすい教育ローンは国・銀行どっち?

教育ローンは国のローンでも銀行ローンでも多額の借り入れをすることになるため、どちらも厳しく審査されます。

国の教育ローンは、収入が低くても申し込む事が出来ますが、けして審査が甘いというわけではありません。

申し込み者に返済能力があるかどうか問われるため、保護者の信用情報はチェックされます。

そのため消費者金融の多額の借り入れやクレジットカードなどの滞納などがあると審査は通りづらくなります。

しかしこれは国のローンに限らず、銀行の教育ローンでも一緒です。

また国の教育ローンの場合には申し込み時に公共料金の支払いの領収書や、銀行の通帳の写しも必要になりますので、返済能力については資料に基づいてチェックされていると思われます。

しかし収入が低いという理由だけで審査から落とされるわけではないため、低収入でもきちんと日々の支払いを行っている場合には、国の教育ローンのほうが審査が通りやすいかもしれません。

低収入世帯を優遇してくれるのは国の教育ローン

低収入の世帯の場合には教育ローンの利用そのものがためらわれる場合があるかと思います。

審査が通っても、多額の借り入れ額を長期間にわたり返済していくのは、家計に大きな負担がかかり、リスクも大きくなります。

そんな心配のある低収入の世帯の場合には、国の教育ローンがおすすめです。

低収入の場合の優遇措置はいくつかありますが、何と言ってもメリットになるのは返済時の金利の軽減です。

銀行の教育ローンは収入が低いからといって金利を低くしてくれるわけではありませんし、銀行の金利を比較してみても、国の教育ローンの優遇措置である金利1.38%に匹敵する低金利で貸し出してくれる銀行は現状ないといっていいでしょう。

銀行教育ローンの審査基準はバラバラ!申込条件をしっかりチェック

銀行教育ローンは、各銀行によって申込の条件はバラバラです。

銀行によっては申込時満20歳以上、完済時満70歳未満など、年齢制限を設けているところもあり、この年齢についても銀行ごとに差があります。

また、安定収入があることは必須条件ですが、前年度の収入金額の下限を設定している場合も多く、その下限金額も150万円・200万円などばらばらです。

保証については現在、保証会社の保証を受けられる事が必須条件になっているところも多くなっています。

多額の融資が受けられる銀行の場合は、担保が必要になったり、居住地が銀行の所在地域に限られたりする場合や、会員のみの利用が可能など、収入以外の要件も重要です。

申し込みたい教育ローンの条件をしっかりとチェックすることが必要です。

繁忙期以外ならまずは国の教育ローンに申し込もう

国の教育ローンは低金利で、収入が低くても申し込む事ができるため、教育ローンが必要になった場合には国の教育ローンから検討していくのがいいと思います。

国の教育ローンならば申込時期を問わず、一年中申し込む事ができます。

学校の合格前でも早めに申し込んでおいて、後から変更やキャンセルをすることも可能です。

国の教育ローンの申込条件に該当する場合には、まず国の教育ローンに申し込み、審査の結果によっては銀行の教育ローンも検討していくという順番がいいかもしれません。

繁忙期には審査に時間がかかってしまうと融資が間に合わないということにもなりかねないので、検討を始めたら早めに申し込むことをおすすめします。

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