キャッシングの仕訳を解説!勘定科目はどうすれば良い?

キャッシングの仕訳を解説!

個人事業主など事業を営んでいれば、カードローンやビジネスローンからキャッシングすることも珍しくないでしょう。

そういった時に気になるのがどうやって仕訳すればいいのか、ですよね。

このページではキャッシングした際、キャッシングしたお金を返済した時の仕訳について解説していきます。

キャッシング(借入)した際の仕訳方法

キャッシング(借入)した際の仕訳方法について見ていきましょう。

例えば金融機関から50万円をキャッシングした際は以下のとおりに記帳します。

摘要 借方-① 貸方-②
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 融資 普通預金 500,000 短期借入金-③ 500,000

項目ごとの説明は次から詳しく見ていきましょう。

①キャッシングを仕分ける際の借方とはなにか

借方とは貸借対照表の左側の項目のことで、会社の経理で以下が起きた際に記録されます。

  • 資産の増加
  • 負債の減少
  • 資本(純資産)の減少
  • 収益の消滅
  • 費用の発生

50万円をキャッシングした場合は、一時的に資産が増加したと捉えられるため、借方の欄に500,000円と記帳しましょう。

①キャッシングを仕分ける際の貸方とはなにか

貸方とは貸借対照表の右側の項目のことで、会社の経理で以下が起きた際に記録されます。

  • 資産の減少
  • 負債の増加
  • 資本(純資産)の増加
  • 収益の発生
  • 費用の減少

50万円をキャッシングした場合は、一時的に資産が増加したと共に負債も増えているため、貸方の蘭には500,000円と記帳する必要があります。

貸借対照表の借方と貸方の合計は常にイコールになっていなければなりません。

慣れない内は仕訳する度に借方と貸方の合計を計算することをおすすめします。

③キャッシングを仕分ける際に勘定科目とはなにか

キャッシングを仕分ける際には、必ず勘定科目を記帳しましょう。

勘定科目とはお金の種類のことで、代表的なものとしては以下などが挙げられます。

勘定科目 説明
租税公課 事業に関する税金を払う際にかかった費用(収入印紙や消費税など)
荷造運賃 梱包にかかった費用や送料など
水道光熱費 事業にかかった水道料金や電気代など
通信費 事業のために利用したインターネット料金や書類の送付費用など
損害保険料 事業所や仕事に使う車の保険料など
消耗品費 10万円未満で耐久期間が1年未満の備品(文房具やコピー用紙など)
福利厚生費 従業員の制服代や健康診断費用など
給与賃金 従業員の給与や手当など
支払手数料 販売や振り込みの際に生じた手数料
利子割引料 ビジネスローンの金利や手数料など

キャッシングの場合は借入金と表記されます。

なお借入金には長期借入金と短期借入金があり、返済期間によって使い分ける必要があります。

具体的には返済期間が1年未満であれば短期借入金、1年以上であれば長期借入金として計上しなければなりません。

しかし、大抵のビジネスローンの契約は1年ごとの自動更新になっているため、実際の返済期間によらず短期借入金として処理するケースの方が多いでしょう。

キャッシング(返済)した際の仕訳方法

キャッシングでの借入金を返済した場合にも仕訳が必要になります。

なお返済の仕訳は以下の段階によって記帳方法が異なります。

  • 返済1ヶ月目の仕訳方法
  • 返済2ヶ月目から完済1ヶ月前までの仕訳方法
  • 完済した月の仕訳方法

詳しくは次から見ていきましょう。

キャッシングの返済1ヶ月目の仕訳方法

まずはキャッシングの利息を計算しましょう。

多くのローンで採用されている元利金等返済の計算方法は以下のとおりです。

ローン残債×実質年率÷365日×30日=利息

例えば50万円を年率12.0%でキャッシングした場合の月の利息はこのように計算されます。

50万円×12%÷365×30日=4931円

また元利金等返済の返済額は一定であるため、返済額は1万1122円です。

つまり1ヶ月目の総返済額は1万1122円、元金の返済に当てられるのが6291円、利息の返済に当てられるのが4931円になり、仕訳は以下のとおりになります。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 返済 短期借入金(元金返済) 6,291円 普通預金 11,122円
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 利息 利子割引料(利息返済) 4,931円

なお、キャッシングの利息の勘定科目は利子割引料として記帳しておきましょう。

キャッシング返済2ヶ月目から完済1ヶ月前までの仕訳方法

2回目以降の返済ですが、1回目の返済によって50万円の元金が48万8878円になっています。

そのため2回目の利息は48万8878円×12%÷365×30日=4821円になり、元金の返済に充てられるのは6301円です。

仕訳は以下のとおりになります。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 返済 短期借入金(元金返済) 6,301円 普通預金 11,122円
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 利息 利子割引料(利息返済) 4,821円

なお上記の計算は完済する月まで変わりません。

キャッシングを完済した月の仕訳方法

完済する月になれば毎月の返済額は1万1122円以下になっているため、仕訳は以下のとおりになります。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 返済 短期借入金(元金返済) 10,986円 普通預金 11,095円
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 利息 利子割引料 109円

しっかりと完済まで記帳していきましょう!

キャッシングを記帳する際の注意点

キャッシングを記帳する際の注意点としては、以下などが挙げられます。

  • キャッシングの元金は経費にならない
  • プライベート用のキャッシングを事業に利用した際も記帳しよう!
  • キャッシングは課税対象外

詳しくは次から見ていきましょう。

キャッシングの元金は経費にならない

キャッシングしたお金を返済する際の利息は経費になりますが、元金は経費として計上できません。

そのため、返済の記帳をする際は必ず元金と利息を分けておきましょう!

プライベート用のキャッシングを事業に利用した際も記帳しよう!

個人事業主の方はプライベートで使っているカードローンで、事業用の資金をキャッシングするケースもあるでしょう。

そういった場合も必ず事業用の帳簿に記録しておきましょう。

事業用とプライベート用の借入が混同してしまうと、税務問題が発生します。

用途が限定されているローンもある

なお事業用のローンをプライベートで利用する、プライベートで利用しているローンを事業で利用する際には必ずローンの用途を確認しましょう。

例えばプロミスやアコムなどの一般向けの消費者金融系カードローンは事業目的の借入は禁止されていることが多いです。

用途を無視したキャッシングをおこなうと、最悪金融機関から強制解約や一括返済が求められます。

キャッシングは課税対象外

キャッシングをしたお金は売り上げではないため、消費税の対象にはなりません。

キャッシングの仕訳は難しくない!まずは利息を計算しよう!

このページではキャッシングの仕訳について解説してきました。

キャッシングの仕訳は借方と勘定科目を把握した上で、利息と元金を計算すれば難しくありません。

まずは利用しているビジネスローンの利息を計算することから始めてみましょう!

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