銀行からの借入・キャッシングの記帳方法を解説!借入と返済を記録しよう!

キャッシングの記帳方法

「銀行や消費者金融から事業のためにキャッシングしたけれど、どう記帳すればいいのか分からない!」経理や簿記を初めて触る人は戸惑うことも多いでしょう。

しかしキャッシングの記帳は決して難しいものではなく、基礎知識を確認すれば誰でも簡単に記帳できます。

このページではキャッシングを記帳する上で必要な基礎知識を解説した上で、実際にキャッシングをどう記帳すればいいのかを解説していきます。

また、ページの後半ではキャッシングを記帳する際の注意点についても紹介していくので、そちらもチェックしておきましょう!

キャッシングを記帳する際に必要な基礎知識

経理や簿記に関して必要な知識は多くありますが、銀行や消費者金融からのキャッシングを記帳する上で、最低限必要な基礎知識としては以下などが挙げられます。

  • 借方と貸方
  • 短期借入金と長期借入金
  • 勘定科目

詳しくは次から見ていきましょう。

キャッシングを記帳する際の借方と貸方ってなに?

事業の経理をする上では一番最初に目にするのが、バランスシート(貸借対照表)です。

まずはバランスシートの一番上にある借方と貸方について確認しましょう。

借方とは資産の増加と費用の発生を計上するもので、貸方では負債の増加や収益の発生を計上します。

一般的な取引では増えた(発生した)のが借方で左、出て行ったのが貸方で右と覚えておきましょう。

キャッシングの記帳は短期借入金?長期借入金?

キャッシングを記帳する際は借入金という項目で扱いますが、借入金はさらに短期借入金と長期借入金に分類されます。

短期借入金と長期借入金の使い分けについてですが、短期借入金は1年以下で返済するもの、長期借入金は1年以上掛けて返済するものと設定されています。

なお大抵のビジネスローンでは1年ごとに契約の自動更新がおこなわれるため、基本的には短期借入金という理解で構いません。

実際に多くの税理士や会計士も、ビジネスローンは短期借入金として処理しています。

ただし借入方法によっては長期借入金として処理するべきケースもあるため、決めかねている場合は金融機関や会計士などに相談した方が良いでしょう。

キャッシングを記帳する際の勘定科目とは?

勘定科目とは記帳する際の項目のことで、代表的なものとしては以下などが挙げられます。

勘定科目 説明
租税公課 事業に関する税金を払う際にかかった費用(収入印紙や消費税など)
荷造運賃 梱包にかかった費用や送料など
水道光熱費 事業にかかった水道料金や電気代など
通信費 事業のために利用したインターネット料金や書類の送付費用など
損害保険料 事業所や仕事に使う車の保険料など
消耗品費 10万円未満で耐久期間が1年未満の備品(文房具やコピー用紙など)
福利厚生費 従業員の制服代や健康診断費用など
給与賃金 従業員の給与や手当など
支払手数料 販売や振り込みの際に生じた手数料
利子割引料 ビジネスローンの金利や手数料など

ここではキャッシングした時の借入は短期・長期借入金、キャッシングした際にかかった利息は利子割引料として計上すると覚えておきましょう。

キャッシングを記帳する方法

具体的にキャッシングを記帳する方法ですが、キャッシングした際とキャッシングした借入金を返済する場合で記帳の仕方が異なります。

詳しくは次から見ていきましょう。

キャッシング(借入)した時の記帳方法

ここからは具体的にキャッシングの記帳方法を具体的を交えて解説していきます。

例えばビジネスローンで50万円をキャッシングして、普通預金に50万円が振り込まれた場合は、以下のように記帳します。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 融資 普通預金 500,000 短期借入金 500,000

まずキャッシングした場合は借入金の分だけ資産が増えているため、左の借方に50万円と記帳する必要があります。

一方で借入金の分だけ負債が増えたため、右の貸方にも50万円と記帳しなければなりません。

貸方と借方の合計はどちらも同じ金額になるように注意しましょう!

キャッシング(返済)した時の記帳方法

例えばビジネスローンで10万円を返済しその内8万円が元金に、2万円が利息に当てられた場合は以下のように記帳します。

摘要 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 返済 短期借入金(元金返済) 80,000 普通預金 100,000
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 利息 利子割引料 20,000

なお上記の数字は説明のためにキリの良い数字にしましたが、現実のビジネスローンの返済金は1円単位で元金と利息に割り振られます。

基本的には、ビジネスローンの契約時に渡される返済予定表(償還予定表)のとおりに返済し、表の数字を記載していけば問題ありません。

キャッシングを記帳する際の注意点

キャッシングを記帳する際の注意点としては、以下などが挙げられます。

・キャッシングの元本は経費にならない
・プライベートと仕事用のキャッシングは分けて記帳する

詳しくは次から見ていきましょう。

キャッシングの元本は経費にならない

事業を営むうえで利用したキャッシングであっても、借入金の元本は経費として計上することができません。

なぜならキャッシングの利用自体は利益に関係がない、と判断されるためです。

しかしキャッシングした際に掛かった利息に関しては、経費で落とすことができます。

そのため、キャッシングを記帳する際には必ず元金と利息を分けておきましょう!

プライベートと仕事用のキャッシングは分けて記帳する

個人で事業を営んでいる方などは事業資金をプライベート口座から補填する、事業用カードローン で生活資金を調達することもあるでしょう。

そういった場合は、必ず口座間の送金記録を取っておくことをおすすめします。

プライベート用口座と仕事用口座が混同していると、脱税問題になりかねません。

仕事でよくキャッシングする人におすすめの借入方法

仕事でよくキャッシングする人におすすめの借入方法としては、以下などが挙げられます。

  • クレジットカードの一括払い
  • 法人カード
  • 日本政策金融公庫からの借入

詳しくは次から見ていきましょう。

クレジットカードの一括払いなら利息が発生しない!

事業の資金を調達するためによくキャッシングする人は、利息が掛からないクレジットカードの一括払いを積極的に利用しましょう。

利息が掛からなければその分記帳する手間も省けます。

ただしクレジットカードの限度額は多くても数十万円程度であり、高額の資金調達には向いていない点には注意しましょう。

法人カードなら個人が立て替える必要がない!

会社の従業員が頻繁に経費を立て替えている場合は、法人カードの発行を検討しましょう。

法人カードであれば従業員が経費を一時的に立て替える必要もなくなりますし、クレジットカード同様に利息が掛かりません。

なお法人カードを発行する際には、追加発行ができ複数の従業員に持たせられる会社を選ぶことをおすすめします。

日本政策金融公庫ならカードローンよりも低金利で利用できる!

現在事業資金を調達するために、ビジネスローンかカードローンを利用している場合は、日本政策金融公庫への借り換えを検討しましょう。

ビジネスローンやカードローンの金利は10〜20%程度ですが、日本政策金融公庫は年2.0%の金利で利用できます。

ただし日本政策金融公庫から融資を受けるためには最短でも1ヶ月程度はかかること、限度額は4800万円と低めである点には注意が必要です。

頻繁にキャッシングの記帳をする場合は会計ソフトを利用しよう!

このページではキャッシングの記帳方法について解説してきました。

キャッシングを記帳するためには、簿記の基礎知識が必要になり、面倒に感じる人も多いでしょう。

そういった方は弥生会計やfreeeなどの会計ソフトの導入をおすすめします。

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