専業主婦がカードローン地獄に落ちるのはなぜ?メカニズムと解決策

カードローンにより借金まみれになる主婦が増えていますが、どういうことが起こっているのか見てみましょう。

普通、無職の人は総量規制があるので、カードローンの審査に落ち、借金をすることができません。

総量規制とは、借金の限度額を年収の3分の1までにするという仕組みです。したがって収入のない人は「0円×3分の1=0円」で、1円も借りられないということになります。

ですから無職の収入のない専業主婦は借金ができないと思われがちですが、配偶者に収入があれば、主婦も借金が可能になるのです。そして専業主婦がカードローン地獄に落ちる例が増えています。

カードローンの審査で不安な人必見!申し込む前に準備しておくべきこと

最初は少額に留めていたはずが…気づいたら返済額が膨らんでいた

何かでお金が必要な時に夫や両親などに相談するのではなく、「専業主婦でも融資します。毎月の返済は3,000円から」などという広告を見ると、3,000円の返済なら楽にできると考えてカードローンに手を出す人が多くなっています。

主婦が借りられるお金は30万円ほどですが、最初からいきなり30万円を借りる人はあまりいません。

最初は1万や2万といった少額を借り入れるため、比較的返済が楽であり、少しずつ借金の額が増えていきます。

そして返済と借金を繰り返すことにより、借金をすることに対する罪悪感がだんだんなくなっていき、気づいたときには借金の総額が膨らんでいたということになります。

最初は買い物代など特定の利用目的で借りる人が多い

ウィンドウショッピングをしていたら、素敵な洋服やバッグが売られていて、どうしても欲しくなるということがあります。

これは普通の感情であり、誰でも経験することです。しかしその時にお金がなければ通常は買うのを諦めますが、自分に対して甘いだけでなく、借金に対する感覚が甘い人の場合はカードローンで借金をして欲しいものを購入してしまうのです。

欲しいものを手に入れたときの幸福感が大きくなり、借金をしたという罪悪感が薄れてしまいます。

また「日頃は家事で頑張っているのだから、自分にこれぐらいのご褒美をあげてもよい」と思うことにより、借金をすることの抵抗感がなくなります。自分に何か言い訳を作って借金をするようになるのです。

生活費にまでローンを使いだしたら一気にカードローン地獄へ…

生活費が不足し、生活費の足しとしてカードローンを使う主婦も多くなっています。

生活費が不足するのであれば、家計を見直して節約する、自分もパートに出て収入を得るなどの手段を取る人もいます。

しかし1万円や2万円ぐらいの不足であれば、節約やパートなどの面倒なことをするより、カードローンで借りたほうが楽、すぐに返せると考えて借りてしまうのです。

ただ、冠婚葬祭や、子供やペットが病気をしたなどの思わぬ出費があると、借りる額が増えて返済不能に陥っていきます。

こういうときにカードローンを使う主婦は、夫に相談しません。

夫に相談すると喧嘩などになって気まずい思いをするのが嫌であるし、これまで何度も夫に生活費の不足のことを相談してきたけれども、夫からよい返事をもらえなかったなどということがあり、自分で何とかしようと思うのでしょう。

しかし借金返済の原資は夫からもらう生活費なので、よく考えると返済できるわけがありません。当然利息も増え、ローンの残高はどんどん膨らんでいきます。

もし夫の収入が減ったら、生活費も減らされるのでますますカードローン地獄に陥ります。

専業主婦がカードローン地獄に落ちる原因で多いもの

主婦がカードローンでどんどんお金を借りる原因として考えられるのは、まずカードローンや利息の仕組みなどについての知識がないことです。

返済計画なども全く立てていないため、足りなければ借りればよい、返済するときは今持っている生活費でなどというように自転車操業になっていきます。

これは借金そのものの知識不足が原因ですが、主婦の生活のなかに借金の原因がたくさんあるのです。

たとえばママ友との付き合いで同じものを購入しないと仲間外れになる、定期的に持ち回りでパーティーを開く、月に何度も一緒に食事に行くなど、出費をする原因が増えていきます。

子供の洋服などにも高額の物を買ってママ友に笑われないように、恥ずかしくないようにと無理をするようになります。

また日常のストレスが原因で買い物依存症やギャンブル依存症などに陥る場合もあります。

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身の丈に合わないブランド品などの購入

友人の結婚式に招待されたときなど、洋服や靴、バッグなどを新調しなければならないことがあります。

そういうときにネットで安い品物を買うのではなく、同時に披露宴に呼ばれているほかの友人に見栄を張って、ブランド品を購入してしまう人がいます。

洋服をブランド品にしたら靴やバッグもそれに見合ったものにしないとならず、ますます出費がかさみます。もしその友人が自分よりよいものを身につけていたら悔しくなり、さらにもっと上のブランド品を買うようになっていき、際限がなくなるのです。

見栄を張っている相手の経済力と自分の経済力の違いを考えることもなく、背伸びをして持っているものだけで自分をアピールして自己満足するわけです。

そのブランド品を買ったお金の出所がカードローンであることは、全く忘れてしまっています。

「友達の水準に合わせたい」と引っ越しや家電・家具の購入をおこなう

友人がデザイナーズマンションや高層マンション、新築の一戸建てなどに引っ越すと、新しい家のお披露目に呼ばれることがあります。

そこで友人の家や電化製品、調度品などを見ると、その友人のレベルに近づきたい、レベルを合わせたいという欲求が高まってきます。

家族がいる主婦でもカードローンの借入限度額が高くなっていけば、新しい住居に引っ越す人が出てきます。

また引っ越すことはできなくても、新しい電化製品や家具などを買い替えることで満足するのです。

友人のレベルに合わせるのが目的ですし金額も大きいので、カードローン地獄に陥るのは時間の問題です。

最近急増している課金アプリが原因の破産

日頃のストレスを発散するためにスマホのアプリゲームにハマる人が多くなり債務整理などをする人が増え、社会問題になっています。主婦も例外ではありません。

アプリのゲームをやっていると、いろいろなアイテムが必要になってきます。

アイテムはそれぞれ少額なので、「このぐらいいいや」と思ってついつい購入してしまいます。それが積み重なって、数百万円の借金ができるというケースがあります。

一度に大きな額の出費なら警戒や自重をしますが、少額だと罪悪感もなく、気づいたら多額の借金になっていたということです。

専業主婦も意外に多いギャンブル依存症

ギャンブル依存症とは単なるギャンブル好きということではなく精神的な病気で、自分でコントロールできなくなってしまうのです。

ギャンブル依存症は男性によく見られますが、女性のギャンブル依存症も増えています。何かのストレスが原因で発症し、自分の意志ではギャンブルをやめることができず、家族のお金を盗んでまでギャンブルをし続けるケーズが多いのです。

主婦が一番陥りやすいギャンブルがパチンコです。

パチンコ店は町のどこにでもあり、少額で始められることから、始めるのにハードルが低いです。

最初のうちはギャンブルという罪悪感がありますが、一度でも大当たりを出したら、その快感が忘れられなくなり「つぎこそは」という思いでパチンコを続けていきます。

なかには、一日に何軒ものパチンコ店を掛け持ちする主婦もいます。

そして自分のカードローンだけでなく、ほかの方法でも借金を繰り返し、全財産を失ったり離婚されたりするケースがたくさん見られます。

ギャンブル依存症は病気ですから、治すには精神科や心療内科を受診しなければなりません。

ホストクラブで破産するケースも未だに多い

高校生がホストクラブ通いをして多額の借金を作ったというニュースが時々ありますが、ホストクラブに夢中になって抜け出せない主婦も多くいます。

友人同士と面白半分にホストクラブに行き、初回限定の安い体験コースでお酒を飲むことから始まります。

いくつもの店の初回の体験コースを経験しているうちに、自分の好みのホストができてくるのです。

ホストは営業ですから当然のことながらお客を褒めておだてて、よい気分にさせます。

主婦は普段、夫から褒められることも少ないので、ホストの態度に感動してホストのことがだんだん好きになってしまいます。

ホストから営業の電話があったら、そのホストから嫌われたくないためにホストクラブ通いをするようになるのです。

当然、洋服やバッグなども高級なものを身につけるようになりますし、ときにはホストにプレゼントをすることもあります。

また、1本何万円もするお酒のボトルを入れるなどしてホストの気を引いて、1日に100万円以上使ってしまう主婦も少なくありません。

当然、主婦のカードローンで済む話ではないので、破産して離婚されることにもなりかねません。

カードローン地獄に落ちないためには返済の仕組みを知ろう

カードローンの返済方法には元利定額方式、元金定額方式、元利定率方式、残高スライド方式があります。

元利定額方式は、毎月決まった額の返済額を支払いますが、その額の内訳は元金と利息をあわせたものになっています。

たとえば、返済額を1万円にした場合、元金7,000円と利息3,000円の合計です。

これは毎月の返済額が決まっているのでわかりやすいのですが、返済額に利息が含まれているので、元金より利息のほうが大きくなることがあります。

また元金定額方式は、毎月決まった額の元金と利息を返済します。これは元金が固定なので残高が確実に減りますが、残高が多い場合は利息が高く、毎月の返済額が多くなります。

さらに元利定率方式は、借入残高に一定の割合をかけた額を返済していく方式です。

たとえば、定率が5%、年利が12%で20万円を借り入れたとき、「200,000円×5%=1万円」となり、毎月1万円を返済します。これは元金と利息をあわせた金額です。

この場合の毎月の利息は2,000円で、8,000円が元金返済となります。これは毎月の返済額が決まっているので返済しやすいですが、いつまで経っても借金がなくならないというデメリットがあります。

また残高スライド方式は、借入残高によっては、毎月の返済額が上下します。たとえばつぎのような返済額になります。

【借入残高と返済額一覧】
借入残高 返済額
10万円未満 5,000円
10万円以上から30万円未満 7,000円
30万円以上から50万円未満 10,000円

この場合、借入残高が35万円のときの返済額は1万円ですが、25万円になると返済額は7,000円、9万円になると返済額は5,000円になります。

多くのカードローンでは、先に述べた元利定額方式など三つの方式と残高スライドリボルビング方式とをあわせた返済方式になっています。

非常にわかりにくい仕組みなので、それぞれの特徴を十分に理解しましょう。

意外と知らないことの多いリボ払いの仕組み

リボ払いは分割払いではありません。月々の支払額と手数料を毎月支払っていく方法で、支払額は元金の支払いにあてられます。

毎月の支払額は、カード会社が設定している最低額より多い金額を好きなように設定できます。

ですから支払額を最低額にすると毎月の支払いが安くすみますが、手数料が高くなるという欠点があるのです。

多くのカード会社では、手数料の年率を15%から18%に設定しています。たとえば20万円を手数料率15%、毎月の支払額5,000円で返済していくと、40回払って完済になります。

この場合、5万円以上を手数料として払うので、手数料が高額です。

支払額を低くしていると総額の手数料が高くなってしまうので、支払額は低くしすぎないことが得策です。

少しでも多く返済すればトータルの利息額を減らせる

お金に余裕ができたときに、毎月の返済日だけでなくほかの日に少しでも返済することを「繰り上げ返済」といいます。

住宅ローンやマイカーローンでも繰り上げ返済は可能ですが、そのたびに手数料を取られます。

しかしカードローンは手数料を取られることなく、連絡もせずにATMで好きなだけ繰り上げ返済ができるのです。

繰り上げ返済をすると残金の元本が減るので、同時にトータルの利息額も減ります。

お金に余裕のあるときは、こまめに繰り上げ返済をしたほうがよいです。ただし、毎月の返済日の前に繰り上げ返済をした場合にも、従来の返済日に従来どおりの返済をしなければならないのを忘れないようにしましょう。

もう助けて!カードローン地獄から強制的に脱出する方法

カードローン地獄から抜け出すには、自分だけの秘密にしておくことはできません。まず家族や両親、兄弟姉妹などに相談しましょう。

家族や両親などがお金を出してくれるのであれば、それで返済ができます。

それが不可能な場合は、弁護士などに依頼して、任意整理か自己破産の手続きをすることになります。

その場合は弁護士費用がかかりますので、身内に相談してお金を出してもらうのが先になるでしょう。

夫に告げて返済を肩代わりしてもらう

夫に借金のことを知られたくないかもしれませんが、借金が自分で返せない額になったとき、夫に隠していてもいずれはわかってしまいます。

それならば勇気を出して話し、夫に返済を肩代わりしてもらいましょう。

もし生活費が不足したことが借金の原因であるならば、夫にまったく責任がないわけではありませんので、夫にきちんと相談し、夫と二人で返済していく、あるいは夫が全額返すなどの方法をとるのがよいでしょう。

最悪の場合、離婚話にまで発展するかもしれませんが、借金をそのままにしておけば、いつかは離婚の危機が訪れますので、早急に夫に真実を告げましょう。

任意整理をする

任意整理について見てみましょう。任意整理は弁護士等が金融業者と話し合いをして、借金の総額を減らすことです。

具体的には、借入の取引を開始した時にさかのぼり、利息制限法の上限金利である15%から20%に金利を引き下げて再計算することにより、減額された元本だけを分割して返済していきます。

ですから、将来の金利や遅延損害金を返済しなくてもよくなります。

ただし、任意整理ができるのは、利息制限法で定められた利率より金利が高いときに限られます。最初から金利が利息制限法より低ければ、減額できないことになるので注意が必要です。

自己破産をする

任意整理ができない場合、もうほかに方法がない場合は、自己破産を選びましょう。

自己破産は裁判所に「破産申立書」を提出して、借金をゼロにする方法です。

通常は弁護士等に手続きを依頼します。裁判官が自己破産できるかどうかを決めますが、借金の理由がギャンブルや浪費であると、自己破産できないことがあります。

また、家族に内緒で自己破産をすることは難しいでしょう。同居している家族の収入を証明する書類を裁判所に提出しなければならないからです。

さらに弁護士費用は通常、40万円から60万円ほどかかりますので、そのお金を調達しておく必要があります。ただし弁護士によっては、弁護士費用を分割にしてくれることもあります。

CMで親しみやすい印象のカードローン…十分注意して利用しよう

ちょっとした借金のつもりが、気がつけば雪だるまのようになるのは他人事ではありません。

カードローンについては、いろいろな金融機関がコマーシャルで親しみやすいタレントを用い、利用を促しています。

コマーシャルのイメージに振り回されて、軽い気持ちで手を出さないようにしましょう。もしカードローンを利用するのであれば、金利などをよく調べ、返済計画をきちんと立てて利用しましょう。

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