楽天銀行カードローンの審査に強く影響しているのが「保証会社」の存在です。
保証会社もまた個人向けローンを運営しており、企業の性質によって審査マニュアルにも特徴があります。
「どんな企業が保証業務を行っているのか」を理解しておくと、楽天銀行カードローンの契約内容・審査通過の可能性についてあらかじめ予測をたてておくことができますよ。
- 楽天銀行カードローンの保証会社
- 「保証会社」がカードローン契約内容&審査基準へ及ぼす影響
- 保証会社が原因で審査に落ちてしまうケースがあること
これらについて、カードローン初心者から上級者までスッキリ理解できるよう解説します。
楽天銀行カードローンの審査基準は甘い?学生やアルバイトにもおすすめ!
楽天銀行カードローンの保証会社は2つ
「保証会社」とは、貸し倒れリスクが高まったときに借入残高を全額立て替える会社のことです。
楽天銀行カードローンを含め、連帯保証人を必要としない各種ローン契約では、リスク回避のために保証会社と契約するのが一般的です。
楽天銀行カードローンでは次の2社に対し、保証だけでなく審査業務も委託しています。
保証会社①楽天カード株式会社
自社グループ名のクレジットカード「楽天カード」を発行する、傘下企業のひとつです。
前身は株式会社あおぞらカード(あおぞら銀行系列)で、2001年からカードローン「マイワン」を発行していました。
2004年に楽天によって買収され、マイワンカード→楽天銀行カードローンと改称して現在にいたります。
カード会員は1,400万人以上に上り、審査業務も手慣れている企業です。
※楽天カードの加盟信用情報機関:JICC/CIC
保証会社②株式会社セディナ
自社でクレジットカードを発行している、業界大手の信販会社です。
2009年にOMCカードと合併し、現在に至ります。三井住友フィナンシャルグループの傘下で、SMBCカードの発行元でもあります。
カード会員数は1,700万人程度ですが、近年では提携カード発行や保証業務に力を入れ始めている企業です。
※セディナの加盟信用情報機関:JICC/CIC
楽天銀行カードローンの保証会社が2社の理由は?
楽天銀行カードローンのように、2社に保証業務を委託する会社は少数です。その狙いは「カードローン会員の増加」にあります。
楽天銀行では、かつてセディナ1社のみに保証と審査業務を委託していました。セ
ディナの基準に満たない人に対しても自社基準審査を行うため、楽天カードにも各業務を委託する2社体制となっています。
【参考】楽天銀行カードローンの審査の流れ
- 仮審査:セディナ・楽天カードが担当
…セディナの審査基準を満たさなかった場合・審査できない申込内容だと判断された場合は、楽天カードへ業務が移る。 - 仮審査結果を申込者に通知
- 楽天銀行による本審査(在籍確認)
- 審査可決&契約手続きの案内
こうしたプロセスを踏む背景には、2010年代から一気に銀行系カードローンの需要が伸びている現状があります。
銀行やクレジットカード会社のキャッシング審査は非常に厳しく、契約できない人は少なくありません。
そうした人を取りこぼさないようにシステム作りが行われ、現在に至ります。
「保証会社が2社ある会社=審査が甘い」は本当?
ネット上には「保証会社が2社あるカードローンは審査が甘い」という説がまことしやかに流れていますが、必ずしも正しいとは言えません。
「どちらか1社の審査に通ればよい」という説も、それほど簡単なものではないと言えます。
セディナの審査に落ちた人が楽天の審査に通るのは難しい
楽天カードの急成長により、クレカ老舗のセディナと審査基準が近づきつつあります。
セディナの審査に落ちてしまった人が楽天カードの審査に通ることは、現状非常に難しいといわざるを得ません。
また、楽天カードは「クレジットカード更新審査が厳しい」ことでも知られています。
1~2日程度の返済遅れを数回繰り返しただけで無期限の利用停止処分を受けたり、限度額を減らされたりするカード会員は少なくありません。
こうした返済能力に対する厳しい姿勢は、楽天銀行のカードローン事業にも反映されています。
実際には「保証会社のどちらか1社の審査に通ればよい」と言えるような状況ではありません。
楽天銀行の審査はセディナ基準→自社銀行基準へ切り替わり始めている
2015年頃から、銀行系カードローンでは「貸しすぎ問題」が勃発しています。
クレジットカード会社や消費者金融への審査業務委託こそ問題の原因だと指摘する声もあり、全国的に「保証会社から銀行へと審査基準を切り替える」という方向へと進んでいます。
楽天銀行も、自社クレカ会社を通じて審査マニュアルを変化させつつあります。
これまでの「保証会社が2社だと審査が甘い」という常識は、そうとは言い切れないものになるでしょう。
セディナor楽天カードでのトラブルは審査否決の原因に
保証会社いずれかで滞納や債務整理の経験があると、楽天銀行カードローンの審査に通ることは極めて困難です。
各社の利用者記録にトラブル歴が残されており、審査時にかならず調査されてしまうからです。
この状態を、金融ブラックとは区別して「社内ブラック」と呼びます。
この2つはいずれも金融事故歴として扱われますが、影響を及ぼす範囲や期間に差があります。
金融ブラックと社内ブラックの違い | |
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金融ブラック | 信用情報(クレヒス)に返済トラブル情報が記録されること。情報には保存期限があり、5~10年で抹消されてローン審査には影響しなくなる。 |
社内ブラック | ローン会社の社内データに返済トラブル情報が記録されること。保存期限はなく、一度問題を起こした会社とは半永久的に契約できなくなる。 |
セディナ運営ローンもしくは楽天カード利用中に問題を起こした人は、もう一度同じ会社で契約しようとしても審査に落ちてしまいます。
楽天銀行カードローンの保証審査の際も同様で、その結果として契約することができません。
この状態がほぼ無期限で続くため、心当たりのある人は他社カードローンを選ぶ必要があります。
セディナの社内ブラックは家賃滞納でも起こる
セディナの社内ブラックとなっているのは、同社運営のクレジットカード・ショッピングローンでトラブルを起こした人だけではありません。
過去に家賃滞納を起こし、保証会社による立て替え(代位弁済)が行われた経験がある人も含まれます。
セディナは事業の一部として家賃保証業務を行っており、ファミリー向けアパートを中心に賃貸契約にも関わっています。
家賃を滞納したり、滞納したまま自己破産や個人再生を行ったりした経験のある人は、当時の家賃保証会社をチェックしてみましょう。
セディナによる代位弁済が発生していた場合、楽天銀行カードローンの審査に通る可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
楽天カードの社内ブラックは旧マイワンカードも対象
既に述べた通り、楽天銀行カードローンの前身は「MY ONEカード(マイワンカード)」です。
マイワンカードで長期滞納・債務整理経験がある人は、同じカードローンに再び申し込むことになってしまいます。
当然ながら社内ブラック化しており、審査に通ることはできません。
【注意】マイワンカードで過払い金請求した人
2007年以前までにマイワンカードを利用している人のなかには、過払い金請求で払いすぎた利息を取り戻している人も大勢います。
利息返還後も支払いを続けていた人は、楽天カード社内でブラック化しているためカードローン審査に通ることは出来ません。
返還されたお金で借入残高をゼロに出来ない場合は「任意整理手続きを行ったもの」として扱われるからです。
該当する場合、完済から最大5年間は金融ブラック化しています。
楽天銀行カードローンだけでなく他社でも審査に通らない可能性があるため、完済時期を確かめる必要があります。
心当たりのある人はセディナor楽天保証以外のカードローンを選ぶ
保証会社2社いずれかで滞納や債務整理経験がある場合、別の会社に保証を委託しているカードローンを選びましょう。
楽天カードが保証するカードローンは、楽天銀行のもの以外にありません。
問題となるのは、セディナ保証の会社を避けられるかどうかです。幸い、セディナが保証するカードローンは種類が限られます。
【セディナ保証の銀行系カードローン】
- 愛知銀行カードローン「愛」
- 静岡中央銀行「プレオカード」
- しみずアシストカードローン
- 名古屋銀行カードローン
- 三重銀行カードローン「セレクト」
- もみじ銀行「ミニカードローン」
- 佐賀銀行「フリーカードローン」
- 筑邦銀行「ミニカードローン」
- 北九州銀行カードローン
以上を避けて申し込むことで、審査通過が期待できます。
金融ブラックの確認は信用情報の本人開示を
保証会社の社内ブラックと並んで注意しなければならないのは「金融ブラック」です。
信用情報に返済トラブル歴(=異動情報)が掲載されているかどうかは、国内3社の信用情報機関(KSC/CIC/JICC)で本人開示を行えば調べることが出来ます。
信用情報機関一覧 | |
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会社名 | 主要な加盟金融機関(ローン利用履歴の情報登録元) |
JICC(日本信用情報機関) | 消費者金融・信販会社・信用金庫 |
CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関) | 消費者金融・信販会社・日本学生支援機構(奨学金) |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 全国の銀行(楽天銀行含む) |
楽天銀行カードローンの審査材料となる情報をチェックするには、保証会社2社が加盟しているCIC・JICCの両社に本人開示を行いましょう。
いずれもスマホまたはPCから、手数料1,000円(税込)で開示請求できます。
楽天銀行カードローンの保証会社による金利への影響
保証会社による影響は、審査基準だけではありません。契約時のカードローン金利も、保証会社の業種と規模によって高低があります。
楽天銀行カードローンの場合は「クレジットカード会社(信販会社)+自社」による保証の影響で、銀行系としては比較的低金利を実現できています。
反対に「消費者金融系」による保証を受けているカードローンは、平均的~やや高金利となる傾向にあります。
【参考】保証会社の系統による金利例
- 楽天銀行カードローン:1.9%~14.5%
- 名古屋銀行カードローン「新ミニマム」:10.5%
- 北九州銀行カードローン「きたきゅう君」:4.5%~14.5%
「アコム株式会社」(消費者金融系)による保証を受けているカードローン
- 三菱UFJ銀行「バンクイック」:1.8%~14.6%
- 北海道銀行カードローン「ラピッド」:1.9%~14.95%
- じぶん銀行カードローン:2.2%~17.5%
「SMBCコンシューマファイナンス」(消費者金融系)による保証を受けているカードローン
- 三井住友銀行カードローン:4.0%~14.5%
- 北洋銀行カードローン「スーパーアルカ」:1.9%~14.7%
- ジャパンネット銀行カードローン;2.5%~18.0%
信販会社に保証を委託している楽天銀行の金利の低さは、メガバンクが運営するカードローンと比較しても遜色ありません。
消費者金融が保証会社となっているカードローンには、最高金利17~18%と高めの設定になるものもあります。
しかし他の銀行系カードローンを比較してみると、それほど大きな差には至っていません。
楽天銀行カードローンの金利は低い?利息を少なくするコツはある?
金利への影響は保証料が原因
金利に影響を与えているのは、カードローン運営会社が支払う「保証料」です。
これはキャッシング利用時に加算される利息に含まれており、保証料が高いほど高金利に・安いほど低金利となります。
保証会社による金利差は小さい
保証料は「信販会社系<消費者金融系」となるのが一般的ですが、この限りではありません。
カードローン運営元がメガバンクや都市銀行なら、他行より安く設定されます。
したがって、信販会社の保証を受けているカードローンより消費者金融系のほうが低金利となる場合もあるのです。
いずれにしても、契約条件のなかで保証会社の影響を受ける金利面に関して、あまり違いを気にする必要はありません。
まとめ:保証会社は基本的に気にする必要なし
楽天銀行カードローンの保証業務を行っている「セディナ」「楽天カード(自社)」の2社は、審査基準に強い影響力があります。
どちらかの会社でトラブルを起こしている場合、楽天銀行が契約に応じてくれる可能性は極めて低いと言えます。
とはいえ、保証会社による審査基準・契約内容への影響を過剰に気にする必要はありません。
「保証会社は多いほど審査が甘くなる」という定説もくずれつつあります。
【楽天銀行カードローンの審査で注意すべき人】
- ブラックリスト状態になるトラブル(滞納or債務整理)に心当たりがある人
- 家賃滞納トラブルを起こし、セディナに立て替えてもらった経験のある人
- 「マイワンカード」でトラブルを起こした人
カードローン全体で比較すると、保証会社ごとに金利面でやや違いはあるものの、それほど大きいものとは言えません。
楽天銀行は低金利帯であり、返済負担重視の人にとって選ぶ価値のあるカードローンです。
保証会社ごとの違いで注意すべきなのは、社内ブラック・金融ブラックによる審査否決のみと言えます。