ビジネスローンを利用した際に気になるのがどうやって記録するか、ですよね。
このページではビジネスローンの仕分方法について解説していきます。
また、ビジネスローンの利用を記録するにあたっての注意点も紹介するので、そちらも参考にしてください。
ビジネスローンの仕分前に基礎知識を確認しよう!
ビジネスローンの仕訳方法を把握する前に、簿記の基礎知識を確認していきましょう。
今回確認する基礎知識は以下のとおりです。
- 借方と貸方
- 勘定科目
既に知っている方は飛ばしても構いません。
ビジネスローンの借方・貸方とは?
ビジネスローンの仕訳をする前に借方と貸方について確認しておきましょう。
借方は資産の増加や負債や資本が減少した際に記入される項目のことです。
一方貸方とは、資産の減少や負債や資本が増加した際に記入されます。
分かりやすく表にまとめると以下のとおりになります。
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
資産 | 増加 | 減少 |
負債 | 減少 | 増加 |
資本 | 減少 | 増加 |
発生 | 費用 | 収益 |
借方貸方の把握は記帳する際に必須であるため、しっかりと確認しておきましょう!
ビジネスローンの勘定科目とは?
勘定科目とは、収益や費用などを記録する際の項目のことです。
ビジネスの経費に当てはまる勘定科目としては、以下などが挙げられます。
勘定科目 | 説明 |
---|---|
租税公課 | 事業に関する税金を払う際にかかった費用(収入印紙や消費税など) |
荷造運賃 | 梱包にかかった費用や送料など |
水道光熱費 | 事業にかかった水道料金や電気代など |
通信費 | 事業のために利用したインターネット料金や書類の送付費用など |
損害保険料 | 事業所や仕事に使う車の保険料など |
消耗品費 | 10万円未満で耐久期間が1年未満の備品(文房具やコピー用紙など) |
福利厚生費 | 従業員の制服代や健康診断費用など |
給与賃金 | 従業員の給与や手当など |
支払手数料 | 販売や振り込みの際に生じた手数料 |
利子割引料 | ビジネスローンの金利や手数料など |
上記で紹介した勘定科目は全て覚える必要はなく、仕事にかかった費用を経費として計上する際に調べて当てはめれば問題ありません。
ここではビジネスローンの金利は利子割引料という勘定科目で処理される、ということだけを覚えておきましょう。
ビジネスローンの仕分方法を解説!
これまで記帳の基礎知識を紹介してきましたが、ここからは実際にビジネスローンの仕訳方法を解説していきます。
ただしビジネスローンの仕訳はお金を借りる場合と返済する場合でそれぞれ記帳方法が異なるため、注意しましょう。
ビジネスローンの借入金の仕訳方法
例えばビジネスローンで50万円を元金一括返済で借りた場合、以下のように記帳します。
摘要 | 借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 融資 | 普通預金 | 500,000 | 短期借入金 | 500,000 |
ビジネスローンで50万円を借りた場合、預金口座に50万円が振り込まれ、資産が増加するため借方に普通預金・50万円と記載します。
しかし一方でビジネスローンを利用したことで50万円の負債が生じているため、貸方にも50万円と記載しなければなりません。
なお貸方の勘定科目が短期借入金となっているのは、ビジネスローンが基本的に1年ごとの更新になっているためです。
一方で銀行や日本政策金融公庫による融資は、長期借入金として仕訳する必要があると覚えておきましょう。
ビジネスローンの返済金の仕訳方法
例えばビジネスローンで50万円を借りて月に10万円を返済し、利息として5000円掛かった場合は、以下のように記帳します。
摘要 | 借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 返済 | 短期借入金 | 100,000 | 普通預金 | 105,000 |
〇〇(金融機関名)ビジネスローン 利息 | 利子割引料 | 5,000 |
ビジネスローン会社に10万5000円を返済した場合、10万5000円分の費用が発生するため、貸方に記帳されます。
同時に資産が10万5000円分減少したため、貸方の方にも記帳する必要があります。
このように、資産が増加すれば借方、負債が増加すれば貸方と覚えておきましょう。
ビジネスローンの仕訳に関する注意点
ビジネスローンの仕訳に関する注意点としては、以下などが挙げられます。
- ビジネスローンの利息と元本は分けて仕訳する
- ビジネスローンは事業用とプライベートを分けて仕訳する
- ビジネスローンの会計(仕訳)ソフトは慎重に選ぼう!
詳しくは次から見ていきましょう。
ビジネスローンの利息と元本は分けて仕訳する
ビジネスローンの利息と元本は必ず分けて記帳しましょう。
なぜなら元本は利息と違って経費にならないためです。
ビジネスローンへの元本返済は経費ではなく負債であり、損益に関係がありません。
そのため、後々の確定申告をスムーズに終わらせるためにも元本と利息は必ず分けて記帳しておきましょう!
ビジネスローンは事業用とプライベートを分けて仕訳する
事業資金を補填するために、プライベート用の口座から事業用口座に送金することもあるでしょう。
そういった場合も必ずしっかりと記帳することをおすすめします。
例えばプライベート用の口座から事業用口座に5万円を送金したとすると、以下のように記帳する必要があります。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
普通預金 | 50,000 | 事業主貸 | 50,000 |
一方、事業用口座からプライベート用口座に5万円を送金した場合は、以下のようになります。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 |
事業主貸 | 50,000 | 普通預金 | 50,000 |
プライベートと事業用のお金の流れを混同してしまうと、税務調査などで問題が発生します。
プライベート用口座と事業用口座でのやりとりはできるだけ避けた上で、入出金があった場合は必ず正確に記帳しておきましょう!
ビジネスローンの会計(仕訳)ソフトは慎重に選ぼう!
ここまでビジネスローンの仕訳について解説してきましたが、面倒だと感じる人も多いでしょう。
そういった時に会計ソフトを利用すれば、頭を悩ませることなく簡単に記帳できます。
しかし会計ソフトには買い切り型やクラウド型など、いくつかの種類が存在し、それぞれメリットとデメリットが異なります。
例えば買い切り方の会計ソフトはネットワーク環境がなくても利用できる、一度購入すれば費用がかからないなどのメリットがありますが、一方でソフトのダウンロードやインストールが必要などのデメリットが生じます。
またクラウド方の会計ソフトは複数の端末で利用できる、比較的安価で導入できるなどのメリットがありますが、情報をアップロードすることによるセキュリティ上のリスクは無視できません。
会計ソフトを導入する際は、しっかりとメリットデメリットや会社の規模、ニーズなどを考えた上で購入しましょう!
ビジネスローンの仕訳方法を把握して税金を抑えよう!
このページではビジネスローンの仕訳について解説してきました。
ビジネスローンの借入や返済をする際は借方貸方の違いを把握した上で、元金と利息を分けて記帳するように心がけましょう!