ローン一本化は意外と難しい!審査対策の方法と利用時の注意点

ローンの一本化というのを聞いたことはあるでしょうか?

その言葉の通り、複数の金融機関で契約しているローンを1つに集約して、利息や毎月の返済回数や毎月の返済額などでメリットを得ようというものです。

実際に、「おまとめローン」などという商品名で「金利を減らす」「返済が楽になる」などのキャッチコピーで紹介しているものも少なくありません。

多重債務に悩んでいる方の多くは、このローンの一本化について一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

そこで今回は、ローンを一本化する方法や注意点について詳しくご説明します。

審査の甘いカードローンの特徴!確実に借りられるカードローンはどこ?

ローン一本化ってどんな仕組み?

ローンの一本化とは、左図のように、複数で借りているお金を1社から新たにお金を借りて返済するというものです。

一般的に金融機関からの融資を受ける際には「総量規制」という規制があり、現在の借入残高が既に年収額の1/3近くある場合には融資してもらうことはできません。

また、借入残高と年収とを比較して融資限度額を決めますので、場合によっては現在の借入額とほぼ同額の融資を受けることが出来ない可能性もあります。

ですが、おまとめローンなど返済を目的としたローンの場合、新たな融資分が年収の1/3を超えない可能性があるのなら融資をしてもらえる可能性があります。

金融機関によっては金融機関から直接各ローン会社などにお金を振り込んで返済しているところもあります。

ローンの一本化と言っても、金融機関1本に絞ってカードローンや少額ローンなどを新たに契約して返済する方法と、おまとめローンなどの商品を使って返済する方法があるのです。

1社から他の1社に借り換えるケースもある

例えば、現在消費者金融にのみ借り入れがある場合には、毎月の返済回数は1回ですし、返済額も現在の借入金に応じた約定返済額のみを支払っているだけですので、多重債務で悩んでいる方から比べると、毎月の返済にそれほど苦労することはありません。

ですが、借入先によっては金利が高く利息を多く払ってしまう可能性もあり、損をしているかもしれません。

そのような方の多くは、より金利が低いカードローンに乗り換えることで、金利・利息の面でお得になる可能性もあるのです。

おまとめローンとは違い、複数社を一本化するわけではありませんが、返済総額などでメリットがありお勧めです。

「おまとめ」と「借り換え」は混同されることも多い

ここまでご紹介したローンの一本化と借り換えですが、よく混同される方がいるようです。

例えば、アイフルには「おまとめMAX」と「かりかえMAX」という二つの商品があるのですが、商品紹介ページを見るとそれほどの違いが見受けられず、同じ商品のように感じてしまいますよね。

実際、名前が違うだけで商品としては同じです。

多くの金融機関などでも同じで、借り換えとおまとめには特に違いがないので、消費者の側からすれば同じもののように感じてしまうのです。

ですが、おまとめとはあくまでも複数社にある借入を一本化するもので、金利や利息、毎月の返済額と返済回数を軽減させる目的のもので、借り換えとは借入先を変更することで金利や利息の面で軽減させる目的のものです。

基本的におまとめローンなどの場合には現在の借入残高が年収の1/3を超えていたとしても、審査の対象となり融資を受けられる可能性があります。

ですが、借り換えローンの場合には、商品として「借り換えローン」というものを利用すれば、総量規制に引っかかることなく融資を受けられる可能性がありますが、一般的にはカードローンなどを別の会社に乗り換えるだけですので、この場合には借入残高によって審査に落ちてしまったり、返済できるだけの融資を受けられなかったりすることもあります。

ローン一本化をする主なメリット

ローンを一本化すると、利息が少なくなるとか返済が楽になるなど、メリットが多いようにアピールしている商品が多くみられます。

本当にメリットが多いのか、またどのようなメリットがあるのか、以下の3名の例を見てご説明します。

①【Aさんの場合】
借入先 借入残高 金利(年) 月々の返済
JCBカード 83万円 15.0% 20,000円
三菱UFJニコスカード 47万円 15.0% 10,000円
アコム 20万円 18.0% 8,400円
アイフル 30万円 18.0% 11,000円
スルガ銀行カードローン 30万円 14.9% 9,000円
合計 210万円 58,400円
②【Bさんの場合】
借入先 借入残高 金利(年) 月々の返済
DCカード 52万円 15.0% 30,000円
VISAカード 15万円 15.0% 10,000円
プロミス 50万円 17.8% 13,000円
合計 117万円 53,000円
③【Cさんの場合】
借入先 借入残高 金利(年) 月々の返済
JCBカード 67万円 15.0% 20,000円
アコム 50万円 18.0% 15,000円
楽天銀行カードローン 30万円 14.5% 10,000円
三井住友銀行カードローン 30万円 14.5% 6,000円
合計 177万円 51,000円

返済回数を毎月1回にできる

上の表を見ていただくと、Aさんは5社へ返済をしますので毎月5回返済しています。Bさんは3回、Cさんは4回です。

それぞれがおまとめローンなどを使って一本化することで返済回数を1回にすることが出来ますので、返済管理が楽になります。

クレジットカード利用などの場合には、一般的に銀行口座からの引き落としとなりますので、口座残高が不足にならないようにしておけば遅延などの心配はありません。

ですが、消費者金融などのカードローンではATMでの返済が一般的ですので、複数社と契約をしている場合にはそれぞれの返済日を覚えていないと遅延や延滞などとなってしまうことも。

ATM手数料を減らすことができる

ATM返済の場合、それぞれの金融機関のATMを利用すれば手数料を取られることはありません。

ですが、提携しているATMでの返済となると、手数料を取られてしまうこともあり、返済の都度手数料がとられるわけですから、毎月数百円の無駄が出ていることになります。

その点、ローンを一本化すれば返済は1回で済みますので、手数料も1回分のみと無駄を省くことも出来るのです。

金利が確実に低くなる

Aさんの場合 金利 利息
一本化前 15.7%(加重平均金利) 329,700円
一本化後 10.0% 210,000円

Aさんの場合、現在の5社分の借入残高と年間の利息分から、加重平均金利は15.7%となります。

例えばこれを大手有名銀行のカードローン1本に借り換えて、返済をすることが出来れば金利は10.0%と今よりも低くなります。

Bさんの場合 金利 利息
一本化前 16.2%(加重平均金利) 189,500円
一本化後 11.8% 138,060円

Bさんの場合は、加重平均金利が16.2%で地方銀行のカードローンを借りられたとすると、金利が11.8%となり、Bさんも金利が低くなることが判ります。

Cさんの場合 金利 利息
一本化前 15.7%(加重平均金利) 277,800円
一本化後 11.8% 208,860円

Cさんの場合も、加重平均金利が15.7%だったのがBさんと同じ地方銀行のカードローンで一本化すれば11.8%となります。

このように、現在の複数のローン契約やクレジットカード支払いなどを1本化することで金利を低くすることが出来るのです。

但し、金利を今の加重平均金利よりも低くするには、それぞれのカードローンで設定されている上限金利が加重平均金利よりも低いことが条件です。

利息が減るので返済額が減少する

上の表を見ていただくとわかる通り、ローンを一本化することで金利を低くすることが出来れば、年間に支払う利息も大幅に減らせることが判ります。

つまり、完済までに支払う総額を減らすことも出来るのです。

ローンを一本化したらどれくらいお得?返済額をシミュレーション

今回は、三井住友銀行カードローンの返済シミュレーションを使って3名の返済額などを比較検討してみましょう。

支払い条件は、借入希望額=現在の借入残高とし、金利はその借入希望額の上限金利、返済回数を120回としました。

Aさんの場合
毎月返済額 金利 利息
一本化前 58,400円 15.7%(加重平均金利) 329,700円
一本化後 27,751円 10.0% 210,000円
Bさんの場合
毎月返済額 金利 利息
一本化前 53,000円 16.2%(加重平均金利) 189,500円
一本化後 16,786円 12.0% 140,400円
Cさんの場合
毎月返済額 金利 利息
一本化前 51,000円 15.7%(加重平均金利) 277,800円
一本化後 25,394円 12.0% 212,400円

毎月の支払額を見ていただくとわかる通り、Aさんは30,649円少なくすることが出来ます。

利息も119,700円も減らすことが出来ました。

そのほか、Bさんは毎月の返済額で36,214円も減らすことが出来ますし、利息は49,100円減らす頃が出来ます。

Cさんは毎月の返済額では27,606円、利息は65,400円それぞれ減額できます。

このように、実際の返済シミュレーションを使って現在の返済額と一本化した後の返済額や、利息の比較をすることで、一本化するとメリットが大きいということが判ります。

ローン一本化は審査が厳しいので要注意!

3名の方の比較検討を見ていただくとわかる通り、複数契約のローンなどは一本化したほうが様々な面でメリットが有るということがお判り頂けたかと思います。

但し、すべての多重債務者の方がローンを一本化できるわけではありません。

新規借入より限度額が上がる分審査も厳しくなる

ローンを一本化するということは、1社に対する借入額が大きくなるということです。

一般的なカードローンなどの紹介記事を読んでいただくとわかる通り、借入希望額が高すぎると申し込み者のスペックが低い場合には融資を受けられる可能性は低くなります。

基本的に、返済能力を見られますので、毎月安定した収入があったとしても、10万円未満となると返済できないと判断されることがありますし、年収で100万円を切る場合には、多くの場合審査に通ることはありません。

また、例えばAさんの場合、現在の借金5社のうち2社はクレジットカードの利用です。

総量規制の場合、このクレジットカードの利用は含まれないことがあり、残りのカードローンの借入残高で審査をします。

Aさんは3社に80万円の借入が既にありますので、210万円を借り入れようとすると年収が870万円なければ総量規制に引っかかる可能性があり、融資を受けられない可能性があるのです。

Cさんの場合には、カードローンの借入残高が既に100万円を超えていますので、更に177万円の借入を希望してきたとしても、返済が出来るのかどうか厳しく審査されるのです。

アコムやアイフルにあるおまとめローンの場合には、総量規制による制限を受けることなく審査を受けられますので、一般的なカードローンを使ったローンの一本化よりも融資を受けられる可能性は高くなります。

ローン一本化の審査に通るコツ

現在の多重債務状態から脱却して、毎月の返済額などで楽になりたいと思うなら、確実にローン一本化の審査に通過することです。

そのためには、以下の点に留意しましょう。

年収が高いほど審査に通りやすい

先ほどもご紹介した通り、既に100万円以上の借入があり、そこに新たに100万円近い借り入れを申し込むのですから、当然債務者の年収がネックとなります。

総量規制による制限を受けることを考えると、現在の借入残高の6倍近くの年収が必要となります。

例えば、現在の借入残高が100万円あったとします。この100万円を返済するには当然新たに100万円借り入れなければなりません。

ということは、一時的にでも200万円の借入額となるわけですから、総量規制の「年収の1/3」を考慮するなら、600万円の年収が必要ということになります。

信用情報をクリーンに保つ

信用情報も、審査通過には重要なポイントです。

よくあるのが、携帯やスマホ利用料などの遅延や延滞です。

特に、本体代の分割払いが終わっていない状態で遅延などがあると、例え数日であっても、それが2,3回程度であったとしても、信用情報にはしっかりと記録が残り、金融機関によっては審査に通さないこともあるのです。

ローンを一本化したいのなら、まずは信用情報に傷をつけないということが重要で、遅延・延滞・債務整理などがないことが条件となります。

新規のローン審査時よりも属性を上げておく

例えば、最初にお金を借りたときにはパート・アルバイトや派遣社員など非正規雇用だったとしましょう。

多くのカードローンでは、非正規雇用でも融資をすることがあります。ただし、収入に見合った限度額を設定しますので、各社少額の貸し付けとなります。

ですが、ローンの一本化の場合には、この最初の時よりも高額の借入を希望するのですから、当然借入希望者のスペックを重要視します。

つまり、現在非正規雇用の方は出来るなら正規雇用になるか、せめて収入を上げるかして、借り入れを受けやすい状況にしておく必要があります。

ローン一本化にはデメリットも!利用時の注意点

ローン一本化のメリットと審査が厳しいという説明をしてきました。

実は、ローン一本化はメリットばかりではありません。デメリットもあるので注意が必要です。

現在の自分の債務状況を理解しないままおまとめローンなどの商品を使ってローンを一本化する場合、適用される金利が現在よりも高くなる可能性があり、その場合にはデメリットでしかありません。

毎月の返済額や返済回数は減らすことが出来ますが、金利が高くなることで返済総額や利息で損をしてしまう可能性もあるのです。

返済期間が伸びれば利息が増えるケースもある

おまとめローンなど、ローンの一本化によって一番多いのが利息の増加です。

例えば、Cさんの例でみてみましょう。

借入先 借入残高 適用金利 月々の返済 返済回数 利息総額
JCBカード 67万円 15.0% 20,000円 47回 226,318円
アコム 50万円 18.0% 15,000円 47回 198,327円
楽天銀行カードローン 30万円 14.5% 10,000円 160回 276,950円
三井住友カードローン 30万円 14.5% 6,000円 78回 162,898円
合計 177万円 15.7% 51,000円 864,493円
一本化後 177万円 12.0% 23,000円 148回 1,622,615円

Cさんは現在4社に対し借り入れがある状態です。

ローンを一本化しないで返済を続けた場合、利息の支払総額は864,493円です。

ですが、大手銀行でローンを一本化した場合、毎月の返済額や金利は確かに低くなりましたが、利息総額が1,622,615円と758,122円も多く支払うことになります。

毎月の返済額を現在と同じ51,000円とすれば、返済回数が43回となり利息総額が414,826円と449,667円も減らすことが出来ます。

つまり、ローンを一本化して毎月の返済額を減らすことで、返済回数が増えることになりその結果として利息が増加する可能性があるのです。

返済額を減らしても、利息が増えない回数をしっかりと返済シミュレーションを使って確認して返済計画を立てるようにしましょう。

1社が完済寸前なら返してしまったほうが良い

ローンを一本化する前に、もし完済寸前というローンがあるなら、その分については完済してからローンを一本化しましょう。

返済回数が増えるということは利息が増える可能性があるということでもあります。

1社分でも完済しておけば、信用情報にも完済済みの記録が残りますし、当然借入残高も減少します。

ローンを一本化するときにも借入希望額を減らすことが出来ますので、支払回数を減らすことも出来ますし、当然その分余分な利息を払わなくて済むのです。

注意点をしっかり抑えてローン一本化をしよう

以上、ローン一本化についてご紹介しました。

今現在多重債務に悩み、ローンの一本化を検討しているというなら、まずは返済シミュレーションを使って一本化した後の金利や毎月の返済額だけでなく、返済回数と利息までしっかりと確認をしておきましょう。

カードローンの審査基準を徹底解説!こんな人は審査に落ちる可能性大!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする